新着情報

2024年版農業法人白書の公表について

売上高は最高値を更新するも、コスト高騰等への懸念広がる

~コスト高騰、天候不順、労働力不足等が経営のリスク~

<2024年版 農業法人白書>

 

公益社団法人日本農業法人協会は、2,088先の会員を対象に「2024年度全国農業法人実態調査(令和6年9月~令和7年2月)」を実施し、「2024年版農業法人白書」としてとりまとめました。

今回の調査において、基幹的農業従事者の急激な減少により、農地や事業の受け皿となっている大規模経営体の規模拡大が進み平均売上高は4億円となり、最高値を3年連続で更新しました。一方、経営の課題としては、引き続きコストの上昇が最も多く、天候不順や労働力の不足が経営リスクとして懸念されています。

◆ 「2024農業法人白書」「2024全国農業法人実態調査 統計表」

   2024年版 農業法人白書」(無償)         

⇒ 2024年版農業法人白書(PDF)

⇒ 過去の農業法人白書

  「2024年版 統計表」(有料) 

 ⇒詳細はhttps://hojin.base.shop/ をご覧ください

◆ 白書サマリー

○ 平均売上高は4億円で、10年前と比べ約128%の水準。3年連続最高値を更新。

○ 経営課題は4年連続で資材コストが1位。天候不順と労働力不足が経営リスク。

○ 経営規模は全国平均と比べ、稲作約37倍、露地野菜約32倍、肉用牛約46倍。

○ 経営者の平均年齢は58.4歳で、全国平均より9.4歳若い。

○ 女性が経営に参画している割合は52.4%で、全国平均より14.6ポイント高い。

○ 輸出に取り組む経営体は14.2%であり、平均輸出額は約2,000万円。

○ 農地は1社あたり平均33団地であり、50a未満の小規模な団地が約5割を占める。

1 会員の経営の姿 

  1. 平均経営規模は全国平均と比べ、稲作約37倍、露地野菜約32倍、肉用牛約46倍、酪農約7倍と大規模。
  2. 過去5年間の経営規模は概ね拡大傾向で、特に、稲作は5年前と比べ111.9%と他の業種に比べ規模拡大が急速に進展。
  3. 平均売上高は4億円で、10年前と比べ約128%の水準。従業員1名あたり平均売上高は1,830万円となり、前年比で107%の水準。
  4. 今後1年間の規模拡大意向は、耕種では「拡大したい」が51.4%、畜産では「現状維持」が68.9%。
  5. 1社あたりが営農する平均団地数は32.9。団地の規模は「50a未満」の団地が約5割を占める一方、理想の団地の最小規模は「1ha以上」。この差をいかに埋めるかが課題。
  6. 経営者の平均年齢は58.4歳で、全国平均と比べて9.4歳若く、「60代」以下が約8割。
  7. 平均従事者数は20.8名で横ばいとなっている。平均正社員数は11.7名。
  8. 女性が経営に参画している割合は52.4%と全国平均を14.6ポイント上回る。
  9. 外国人技能実習生の受入先の割合は24.7%で、特定技能外国人の雇用先の割合は20.9%。

2 経営の課題と取組み 

  1. 現在の経営課題は、4年連続で「資材コスト」が59.1%と最多。前年と比べると「労働力」が2番目に上昇。
  2. 経営リスクは、「生産コストの上昇」が75.7%と最も多く、次いで「天候不順等による収量の不足」が40.7%、3番目に「労働力の不足」が40.5%と続く。
  3. 9割以上の先が賃上げを「実施した」又は「実施予定」と回答。賃上げ率は「3%以上~4%未満」が最多。
  4. 輸出の取組みは全体の14.2%で、輸出先国は上位から香港・シンガポール・台湾とアジア地域が続き、次いでアメリカ。また、輸出先国別の輸出金額は「100万円以上500万円未満」が最多。平均輸出額は約2,000万円。
  5. 物流問題2024により「物流コストの上昇」の影響があると回答したうちの過半は物流コストが「8%以上」上昇。「輸送期間の長期化」に影響がある先のうち約8割で輸送期間が「+1日以上」長期化。生鮮食品を扱う業種にとっては影響あり。

3 持続的な農業生産に向けた取組み

  1. 減化学農薬、減化学肥料への取組みはいずれも「50%未満低減」との回答が最も多く、取組みを拡大したい先は過半を下回る。
  2. 有機農業に「取組んでいる」の割合は27.4%。そのうち、有機JASの取得割合は10.1%。
  3. アニマルウェルフェアに「取組んでいる」先は66.9%。業種別では、「養豚」が80.0%で最多。

【ご案内】「2024統計表」オンライン販売開始!

  • 「2024年版農業法人白書」の基となった「2024年度全国農業法人実態調査」のデータを「2024年度農業法人実態調査統計表(Excelファイル)」として110,000円(税込)でオンライン販売しています。
  • 内容は、上記白書でご紹介している項目を含め、各調査項目を「道府県別」「多角化別」「売上規模別」「作目別」「従事者数規模別」「女性参画別」に整理したものです。

詳しくは、https://hojin.base.shop/ をご覧ください。

◆調査の実施概要

調査名 調査期間 調査方法 調査票

配布数

有効回答数 有効回答率
全国農業法人実態調査 2024年9月~2025年2月 WEB及び郵送留置法 2,088 1,401 67.1%

 

◆ 協賛企業(※1・2)

(※1)(公社)日本農業法人協会のアグリサポート倶楽部会員または賛助会員のうち、ご協賛いただいた企業・団体です。

(※2)「2024年版農業法人白書」の内容は、全国農業法人実態調査の回答に基づき公表しており、協賛企業との直接的な関係はございません。

【お問い合わせ先】

公益社団法人 日本農業法人協会 総務政策課 政策担当:森

〒102-0084 東京都千代田区二番町9-8 中央労働基準協会ビル1階

電話:03-6268-9500

FAX:03-3237-6811   E-mail:seisaku@hojin.or.jp

【公開日:2025年5月15日】