【5月24日】2022農業法人白書の公表について
経営課題は2年連続で「資材コスト」が1位に ~ 農業用資材等の価格高止まりも、過去最高の平均売上高を記録~ < 2022年版 農業法人白書 > |
公益社団法人日本農業法人協会は、2,068 先の会員を対象に「2022年度農業法人実態調査(令和4年10月~令和5年2月)」を実施し、「2022 年版農業法人白書」としてとりまとめました。
今回の調査では、経営課題として「資材コスト」が2年連続で1位となり、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や円安等により、農業用資材等価格の高止まりしている実態が明らかになりました。一方、平均売上高は3億7,558万円となり、調査開始以来、過去最高の売上高を記録しました。
◆ 「2022農業農業法人白書」「2022全国農業法人実態調査 統計表」
「 2022年版 農業法人白書」
「2022年版 統計表」
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◆ 白書サマリー
○ 現在の経営課題は、2年連続で「資材コスト」が1位。 ○ 会員の平均売上高は3億7,558万円で、10年前と比べ約131%(+8,844万円)。 ○ 経営規模は全国平均と比べ、稲作約36倍、露地野菜約34倍、肉用牛約29倍。 ○ 経営者の平均年齢は58.6歳で、全国平均より9.2歳若い。前年と比べ0.6歳若返り。 ○ 女性の経営参画先の割合は54.1%で、全国平均より16.3ポイント高い。 ○ 輸出の取組みは全体の7.5%で、輸出先国は1位香港、2位シンガポール・台湾。 ○ 再生可能エネルギーの活用割合は24.1%で、10年前と比べ19ポイント高い。
1 会員の経営の姿
- 平均経営規模は全国平均と比べ、稲作約36倍、露地野菜約34倍、肉用牛約29倍、酪農約6倍と大規模。
- 過去5年間の経営規模は概ね拡大傾向で、特に、稲作は5年前と比べ114.3%と他の業種に比べ規模拡大が急速に進展。
- 売上規模が「1億円以上」の先は57.2%で、全国の平均(0.8%)より56.4ポイント上回る。
- 2022年の平均売上高は3億7,558万円で、10年前と比べ約131%。前年比では31.9%が「増収」と回答。
- 今後1年間の規模拡大意向は、「拡大したい」が土地利用型で48.7%、畜産で31.8%。
- 経営の多角化に取組む先は71.6%と全国平均の8.2%を63.4ポイントと大きく上回る。
- 経営者の平均年齢は58.6歳で、全国平均の67.8歳より9.2歳若い。前年と比べ0.6歳若返り。
- 2022年の平均従事者数は19.9名で、平均正社員数は11.1名。
- 女性が経営に参画している先の割合は54.1%と全国平均の37.8%を16.3ポイント上回る。
- 外国人技能実習生の受入先の割合は25.5%で、特定技能外国人の雇用先の割合は15.6%。
2 経営の課題と取組み
- 現在の経営課題は、2年連続で「資材コスト」が63.4%と最多となった。特に畜産経営先では、77.2%が「資材コスト」を挙げている。
- 経営リスクは、「生産コストの上昇」が79.2%と最も多く、次いで「生産物価格の下落」が45.7%、3番目に「労働力の不足」が37.8%と続く。
- スマート農業技術の導入割合は72.4%。そのうち、稲作は82.3%、畜産は73.3%とスマート農業導入先が多い。
- 一方、スマート農業技術を導入しない理由としては、「実情に合わない」「初期投資が高額」という回答が多い。
- 輸出の取組みは全体の7.5%で、輸出先国は上位から香港・シンガポール・台湾とアジア地域が続き、次いでアメリカ。また、輸出先国別の輸出金額は「100万円以上500万円未満」が最も多い。
3 持続的な農業生産に向けた取組み
- 「みどりの食料システム戦略」の内容を「知っていた」先の割合は33.4%で、前年と比べ10.9ポイント増加。また、持続的な農業生産に「すでに取組んでいる」先の割合は53.7%で、持続的な農業生産に取組む目的は、「将来において農業を続けるため」が最も多い。
- 有機農業に「すでに取組んでいる」先の割合は27.5%で、全国平均の6.4%と比べ21.1ポイント上回っている。
- 再生可能エネルギーを「活用している」先の割合は24.1%で、「太陽光発電」を導入している先が多い。
- 国産資材を「活用している」先の割合は80.6%で、「堆肥(家畜排せつ物)」の活用が最も多い。
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◆調査の実施概要
調査名 | 調査期間 | 調査方法 | 調査票
配布数 |
有効回答数 | 有効回答率 |
農業法人実態調査 | 2022年10月~2023年2月 | WEB及び郵送留置法 | 2,068 | 1,412 | 68.3% |
◆ 調査結果の詳細は、下記レポートをご参照ください。
★2022年版農業法人白書-2022年農業法人実態調査より-
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【公開日:2023年5月24日】