【8月8日】2021農業法人白書を公表しました。
経営課題は「資材コスト」、経営リスクも「生産コスト上昇」が1位に ~ 農業用資材等の高騰を背景に、例年経営課題1位の「労働力」を逆転 ~ < 2021年版 農業法人白書 > |
公益社団法人日本農業法人協会は、2,068 先の会員を対象に「2021 年度農業法人実態調査(令和3年11 月)」を実施し、「2021 年版農業法人白書」としてとりまとめました。
今回の調査では、経営課題として「資材コスト」が1位になったほか、経営リスクでも「生産コストの上昇」が1位となり、昨今の農業用資材等の高騰が経営を大きく圧迫する課題・リスクになっていることが改めて明らかになりました。
◆ 「2021農業農業法人白書」「2021全国農業法人実態調査 統計表」
「 2021年版 農業法人白書」
「2021年版 統計表」
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◆ 白書サマリー
○ 現在の経営課題の1位は「資材コスト」。経営リスクの1位は「生産コストの上昇」。 ○ 会員の平均売上高は3億2,987万円で、10年前と比べ約127%(+6,980万円)。 ○ 経営規模は全国平均と比べ、稲作約35倍、露地野菜約29倍、肉用牛約32倍。 ○ 経営者の平均年齢は59.2歳で、全国平均より8.6歳若い。 ○ 女性の経営参画先の割合は52.0%で、全国平均より14.2ポイント高い。 <中小企業との比較> ○ 売上規模が「1億円以上」の先は51.9%で、中小企業より13.1ポイント高い。 ○ 2020年の平均従事者数は18.0名で、中小企業より2.5名多い。
1 会員の経営の姿
- 平均経営規模は全国平均と比べ、稲作3倍(63.5㏊)、露地野菜29.2倍(29.2㏊)、肉用牛32.0倍(1,801.3頭)、採卵鶏24.2倍(1,403.2千羽)と大規模。
- 過去5年間の経営規模は概ね拡大傾向で、特に、稲作は5年前と比べ117.7%と他の業種に比べ規模拡大が急速。
- 2021年の平均売上高は3億2,987万円で、10年前と比べ約127%。前年比では38.5%が「増収」と回答。
- 売上規模が「1億円以上」の先は51.9%で、中小企業の平均(38.8%)より13.1ポイント上回る。
- 今後1年間の規模拡大意向は、「拡大したい」が土地利用型で50.4%、畜産で32.8%。
- 経営の多角化に取組む先は72.6%と全国平均の8.2%を64.4ポイントと大きく上回る。
- 経営者の平均年齢は59.2歳で、全国平均の67.8歳より8.6歳若い。
- 2020年の平均従事者数は18.0名で、中小企業より2.5名多い。
- 女性が経営に参画している先の割合は52.0%と全国平均の37.8%を14.2ポイント上回る。
- 農福連携に「取組んでいる」先は25.0%で、このうち、「福祉事業所等との請負契約による連携」が60.7%と最も多い。
2 経営の課題と取組み
- 現在の経営課題は、例年、経営課題として1番多く挙げられていた「労働力」(60.0%)を抜いて、「資材コスト」が65.2%と最多となった。特に畜産経営先では、76.3%が「資材コスト」を挙げている。
- 経営リスクは、「生産コストの上昇」が73.5%と最も多く、次いで「生産物価格の下落」が61.6%、3番目に「労働力の不足」が44.3%と続く。
- スマート農業技術の導入目的は、「労働時間削減」が最も多く、次いで「作業負荷軽減」が続く。また、導入先を経営者の年齢階層別でみると、若い世代ほど、導入済の割合が高くなっている。
- 一方、スマート農業技術を導入しない理由としては、「初期投資が高額」「実情に合わない」という回答が多い。
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今後「取引を拡大したい金融機関」は、日本公庫が31.3%で最多。次で地方銀行が21.0%。「関わりの深い金融機関」は、日本公庫、農協、地方銀行の順。農協とは金融以外の取引も含まれる。
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輸出等の海外展開事業に「取組済又は検討中」の回答先は20.1%で、輸出国地域は「アジア」が最多。また、1輸出国地域当たりの輸出金額は「100万円以上500 万円未満」が最も多い。
3 持続的な農業生産に向けた取組み
- 「みどりの食料システム戦略」の内容を「知っていた」先の割合は22.5%。また、持続的な農業生産に「すでに取組んでいる」先の割合は50.2%で、持続的な農業生産に取組む目的は、「『安全・安心』な農産物の生産のため」が最も多い。
- 有機農業に「すでに取組んでいる」先の割合は28.9%で、全国平均の6.4%と比べ22.5ポイント上回っている。
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- 内容は、上記白書でご紹介している項目を含め、各調査項目を「都道府県別」「多角化別」「売上規模別」「作目別」「従事者数規模別」「女性参画別」に整理したものです。
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◆調査の実施概要
調査名 | 調査期間 | 調査方法 | 調査票
配布数 |
有効回答数 | 有効回答率 |
農業法人実態調査 | 2021年11月~
2022年3月 |
郵送留置法 | 2,068 | 1,490 | 72.1% |
◆ 調査結果の詳細は、下記レポートをご参照ください。
★2021年版農業法人白書-2021年農業法人実態調査より-
【お問い合わせ先】
公益社団法人 日本農業法人協会 総務政策課 政策担当:岩﨑・古澤
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【公開日:2022年8月8日】