人材確保・育成に係る人事制度事業(令和5年~6年度日本中央競馬会特別振興資金助成事業)
事業の概要
当協会では、令和5年度から令和6年度に日本中央競馬会特別振興資金助成事業を受託し、畜産経営体における人事評価制度に係る事業を実施いたしました。
令和5年度事業では、当協会の畜産会員に人事評価制度に関する取り組み状況を調査するアンケート調査および全国8ブロックにおいて人事評価制度の導入・活用に向けたワークショップを開催した他、アンケートやワークショップから得た情報をもとに人事評価制度に取り組むモデル経営体の選定を行い、現地ヒアリング調査を実施しました。これらの調査結果から、人事評価制度を未導入、または制度運用に課題がある畜産経営体に向けて、経営における人事評価制度の重要性を認識し、その活用により経営発展や人材育成に役立てていただくことを目的とした畜種別の人事評価シートサンプルおよび人事評価制度の導入・活用に向けた手引きを作成しました。
令和6年度事業は、畜産業界における人材確保・育成に貢献するため、人事評価制度の導入や持続的な運用を目指す畜産経営体が、自らの組織に合わせた評価制度の仕組みの構築が行えるよう、「畜産経営で活躍する従業員に期待される適正資質・行動特性」、「評価基準と運用面の見直し」、「制度運営の負担軽減に配慮した参考となると仕組み」等を調査・情報収集し、有益情報の提供および活用できる教材等を作成しました。
会員畜産経営体や関係各位におかれましては、取組事例の参考として、また普及推進にぜひご活用ください。
人事評価制度導入の手引き(令和5年度、令和6年度追加)
日本語版
畜産経営体向け 人事評価制度導入の手引き 畜種別人事評価シートサンプルつき
畜種別人事評価シートサンプル(PDF/Excel)
翻訳版
昨今では、畜産現場でも特定技能外国人従業員等の多くの外国人材が働いています。 この手引きのうち、主に従業員向けの内容と畜種別人事評価シートサンプルについて、外国人従業員等にも活用いただけるよう、入国者数の多いベトナム、中国、フィリピン、インドネシアの4カ国の言語(ベトナム語、中国語、英語、インドネシア語)に翻訳しています。ぜひご活用下さい。
従業員向け活用マニュアル(本誌7・8ページ)・畜種別人事評価シートサンプル(本誌9~12ページ)
人事評価制度導入の手引きを解説する動画・テキスト(令和6年度)
「人事評価制度導入の手引き」を基に、経営体で人事制度の導入や教育場面に利用できるツールとして、「制度導入検討編」、「制度運用編」、「管理者編」、「従業員編」の4編に分けて解説する動画とテキストを掲載しています。そのうち、「従業員編」は、外国人技能実習生や特定技能外国人従業員も活用可能となるよう、解説テキストを4言語に翻訳しています。
想定する対象者 | 動画 | テキスト |
経営者・管理者 | ![]() |
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経営者・管理者 | ![]() |
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管理職・評価者 | ![]() |
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従業員 | ![]() |
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従業員編テキスト 翻訳版 | |||
ベトナム語 Tiếng Việt | 中国語 中文 | 英語 English | インドネシア語 Indonesia |
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会員畜産経営体における人事評価制度実態調査(令和5年度)
畜産現場における人事評価制度の実態を定量的に把握することを目的に、当協会畜産会員(主・従作目:酪農、肉用牛、養豚、養鶏(採卵鶏・ブロイラー))を対象にアンケート調査を行いました。
調査概要
内容 | |
調査先 | (公社)日本農業法人協会 畜産経営体 395先 酪農(83)、肉用牛(75)、養豚(114)、採卵鶏(91)、 ブロイラー(23)、その他畜産(9) |
調査期間・方法 | 2023年6月~8月・郵送(Webフォームからの回答も可) |
回答数(回答率) | 138件(35%) |
回答数の内訳 | 酪農(28)、肉用牛(27)、養豚(46)、採卵鶏(24)、 ブロイラー(11)、その他畜産(2) |
調査まとめ
会員畜産経営体における人材適性資質実態調査(令和6年度)
人材の適性資質や行動特性と人事制度整備・運用状況を把握し、畜種毎に分析するため、当協会畜産会員の経営者・従業員4畜種60名を対象にアグリPLIアセスメント※を実施し、フィードバックすることで、適正資質と行動特性を把握し、畜産経営の人事制度構築や運用に関する特徴等を分析しました。
※アグリPLI アセスメントは、農業ビジネスに必要な「適性・資質・価値観・モチベーション」と「行動特性(コンピテンシー)」を多面的に測定する診断である。アセスメントにおいて15年以上の実績を持つネクストエデュケーションシンク社とAoba-BBT 社にて共同開発され、人材の潜在能力と行動特性を可視化することを目的としている。
調査対象
対象 |
管理職 | 一般職 | 合計 | ||
調査全体 | 24名 | 35名 | 59名 | ||
経営者 | 農場長 | チームリーダー | 一般作業者 | ||
15名 | 9名 | 17名 | 18名 | ||
肉用牛 | 6名 | 3名 | 5名 | 4名 | 18名 |
酪農 | 3名 | 2名 | 7名 | 2名 | 14名 |
養豚 | 2名 | 2名 | 0名 | 6名 | 10名 |
養鶏(採卵鶏) | 4名 | 2名 | 5名 | 6名 | 17名 |
調査結果(畜産業全体の行動特性の結果の考察について)
行動特性の結果より、人的多様性への理解や、人と組織、コミュニケーション力に関する項目において管理職と一般職では明確な差が認められ、畜産業での管理職に必要な行動として、従業員の多様性を理解し、人を動かし、組織を動かす力が必要であることが明示された。また、従業員の声を的確に聞く受動的コミュニケーションの行動も必要であることが明示されている。
さらに、自ら主体的に動く行動力も求められる。畜産業における人材の高度化のためには、これらの対人能力の強化や、主体的に行動する力が重要であることが明示された。
畜産経営体の人事評価制度 導入・活用に向けたワークショップ(令和5年~6年度)
全国8ブロックにおいて、人事評価制度を未導入、または導入初期で課題を抱える畜産経営体の経営者や人事労務担当者を対象に、人事評価制度の基礎を学び、効果的な活用に向けた課題の深堀りや対応策の検討を行うなど、畜産現場における定性的な実態把握を行いました。
実施概要
ブロック | 令和5年度 実施日・場所 | 令和6年度 実施日・場所 |
北海道 | 2023年8月3日【北海道札幌市】かでる2.7 | 2024年6月28日【北海道江別市】酪農学園大学会議室 |
東北 | 2023年8月2日【宮城県仙台市】ハーネル仙台 | 2024年7月3日【宮城県仙台市】ハーネル仙台 |
関東 | 2023年6月16日【東京都千代田区】市ヶ谷カンファレンスセンター | 2024年7月18日【埼玉県さいたま市】ソニックシティ大宮 |
東海 | 2023年11月17日【三重県四日市市】MG四日市 | 2024年7月26日【静岡県富士宮市】JAふじ伊豆 富士宮地区本部 |
北信越 | 2023年7月21日【長野県塩尻市】長野県教育センター | 2025年1月20日【新潟県新潟市】NINNO3会議室 |
近畿 | 2023年7月26日【京都府京都市】京都テルサ | 2024年7月25日【京都府京都市】京都テルサ |
中国・四国 | 2023年7月19日【香川県高松市】香川県立ミュージアム | 2024年7月4日【香川県香川市】香川県民文化会館 |
九州・沖縄 | 2023年7月27日【熊本県熊本市】KKR熊本 | 2024年10月15日【沖縄県那覇市】沖縄県教職員共済会館八汐荘 |
ワークショップ資料
実施報告
実施報告書(全ブロック)/ 従業員のモチベーションアップのための取組事例一覧 / 開催後アンケート集計(令和5年度)
人事制度に関するWS実施結果一覧表(令和6年度)
【公開:令和6年3月22日、更新:令和7年8月12日】