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農業法人制度改正のポイント


農業生産法人制度の見直し等を内容とする「農地法の一部を改正する法律」が平成13年3月1日に施行されました。農業生産法人制度がどのようにかわったのか、そのポイントを紹介します。

農業生産法人の要件の見直し

法人形態要件

農業生産法人の法人形態は、有限会社、農事組合法人、合名会社又は合資会社に限られていましたが、今回の改正で「定款に株式の譲渡について取締役会の承認を要する旨の定めがある株式会社」が追加され、これにより、法人形態の選択肢の幅が拡がりました。
なお、このような株式の譲渡制限がある場合、株主が取締役会の承認を得ずに勝手に株式を譲渡しても、会社に対して効力はありません。

事業要件

今回の改正で、農業生産法人の事業の要件は「 主たる事業が農業と関連事業(法人の農業と関連する農産物の加工販売等)であること」と改められました。
これにより、農業と関連事業が売上高で過半であれば、その他の事業を行うことができるようになり、事業の多角化による経営の安定発展や周年雇用による労働力の安定的な確保を図ることが可能となりました。

構成員要件

今回の改正で、地方公共団体が農業生産法人に出資できるようになりました。
また、政令改正により、法人の事業について継続的な取引関係にある者(個人、法人を問いません)が一定の議決権の範囲内で出資することができるようになり ました。これにより、例えば、食品流通業者と連携を強化したり、生協等との結びつきを強め販路の確保を図ることができるようになりました。

役員要件

今回の改正で、農業生産法人の役員の要件は、1).農業生産法人の役員の過半の人が法人の農業や関連事業に常時従事する構成員であること、2).1)に該当する役員の過半が省令で定める日数(年間60日等)以上農作業に従事することと改められました。
このように、これまでに比べて農作業に従事するべき役員の割合やその農作業に従事すべき日数が引き下がったことで、農業生産法人の役員が農作業以外のマーケティング等の企画管理業務に取り組みやすくなりました。

要件適合性の確保のための措置

農業生産法人の要件は、農地の権利を取得した後も満たされていることが必要です。要件を満たさなくなれば、最終的に農地が国に買収されることとなります。
今回の改正では、農業生産法人が農地の権利を取得した後も要件に適合していることを確保するため、次のような措置が設けられました。

農業委員会への報告

農業生産法人は、毎事業年度の終了後3ヶ月以内に、事業の状況等を農業委員会に報告しなければなりません。この毎年の報告をせず、又は虚偽の報告をした場合には30万円以下の過料が課せられることとなりました。
今後新たに農地の権利を取得する法人だけでなく、農地を所有したり借りたりしているすべての農業生産法人がこの報告を行う必要があります。

農業委員会の勧告及びあっせん

農業委員会は、農業生産法人が要件を満たさなくなるおそれがあると認められるときは、法人に対し、必要な措置をとるべきことを勧告できるようになりました。
この場合、法人から農地の所有権の譲渡しをしたい旨の申出があったときは、農業委員会はあっせんに努めることとなりました。

農事組合法人の場合は注意を!

農事組合法人の場合、農業協同組合法によって事業内容、組合員(構成員)の資格等が定められています。この農協法にもとづく農事組合法人の要件は従来どおりですので、今回の農業生産法人制度の見直しとは関係なく、農協法の規定を受けることになります。なお、
「農事組合法人が同一性を保って、有限会社等に転換することを可能とする(課税されない)」方向で、農協法の改正が行われ、平成14年1月1日から施行される予定です。